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GXR MOUNT A12



凛とした建物である。
僕のイメージは既に、ひっそりとした高原の療養所(サナトリウム)、金物の洗面器、木陰の百葉箱、峠を走る風、鎮魂歌(レクイエム)・・・と暴走し始めている(笑)。



日和山の入り口にある瞰海楼(割烹小幡)の窓である。
数年前に映画のロケ地になったことから、今では観光スポットになっているらしい。
廃業して随分経つそうだが、それにしてもこの店が営業している頃の記憶が全く無いのはなぜだろうか。

ご多分に漏れず郊外の大型店舗に客が奪われ、街の元気が無くなってしまった地方都市であるが、往時の活気を偲びつつ、港からごうごうと吹きつけて来る冬の風を浴びながら、ワンカップの「初孫」を飲んだのであった。



冬の羽越本線に乗っていると、鈍色の日本海としばらく付き合うことになる。
今年は不思議なことに、同じ沿岸部でも雪一面の場所と全く雪が無い場所が交互に現れる。
暖かい列車の中で酒を飲みながら、変化に富んだ車窓を眺めるのは至福のひと時である。
基本的に空は晴れていたのだが、ちょうど粟島上空のあたりに真っ黒な雪雲がやって来て、一瞬夜になったかと思うほど暗くなった。
今頃島は大荒れなんだろうな、、と新潟駅で買った地酒をまた一献。
一段と気温が下がったのか、窓ガラスが曇り始めた。



良く晴れていたので富士山を撮ろうと思い、近所の小高い場所を色々と歩き回ったのだが、木の枝が邪魔だったりして中々良い場所が見つからない。そうこうしている内に日が暮れてきて、敗戦投手のように肩を落として帰る羽目になってしまった・・・

以前はどのメーカーも反射望遠レンズがラインアップに並んでいたのだが、最近では殆ど見掛けなくなった。確かに開放f値が暗い、リング上のボケが出る等、欠点はあるが、小型軽量なので携行性は良いし手持ちでも結構使える。とは云え、500mmでスナップしようとしても、何を撮って良いのか未だにわからないのだが。



さすがにご近所シリーズの被写体もネタが尽きてきた。
よく考えたら冬なのであった。

f1.2の開放でも、GXRのピーキングは結構当たるな、、、という印象。